Tokyo 7th シスターズ メモリアルライブ in 日本武道館「Melody in the Pocket」 考察
お久しぶりです。
自分にとても影響を与えた昨年のナナシス3rdライブから約1年。
今年のライブが近付いてきました。
コンテンツに対する向き合い方が色々変わった1年間だったと思います。
この1年間、自分なりにナナシスの知識を増やせたとは思うので、武道館でナナシスが何をやろうとしているのか。どんな意味を持つライブなのかを自分の考えをまとめる意味も込めて考察してみようと思います。
これから書くことは全部個人の妄想なので、ご了承を。
「4th」ではなく「メモリアル」ライブ
まず大前提として、今回のライブタイトルは「Tokyo 7th シスターズ メモリアルライブ Melody in the Pocket」です。
普通なら去年までナンバリングでライブタイトルを付けていたのですから今回も4thライブになるはずです。
でも今回は「メモリアルライブ」。
何がメモリアルなのか?
自分なりの解釈は以下の通りです。
・ナナシス「フェーズ1」は一旦3rdで終了
まず1つ目に、ナナシスの総監督である茂木監督は全楽曲の作詞から、ストーリー、ライブの構成など、ナナシスの全てを1人で組み上げていると言っても過言ではない人です。
その人がとあるインタビューで「3rdライブは1st、2ndの集大成を意識した。」と語っています。
『ナナシス』茂木伸太郎監督による3rdライブ振り返りインタビュー | アニメイトタイムズ
確かに楽曲、構成、規模に至るまで、3rdライブは今までのナナシスの集大成ではありましたが、普通のコンテンツであっても最新のライブは集大成になり得るもののはずです。
ではここでいう集大成とは何か。
自分なりの表現で言うなれば、少しカッコつけた言い方になりますが「フェーズ1の集大成」です。
ナナシスは3rdライブ終了後、ゲームの大幅リニューアルに加え、セブンスシスターズの「WORLD'S END」、777☆SISTERSの「スタートライン/STAY☆GOLD」といったいわゆる""リ・スタート""をアピールしている印象を受けます。
セブンスシスターズの原点を明らかにし、777☆SISTERSの新たな出発点を設定した。
そして、今回からはレジェンドであるセブンスシスターズとライバルの4UとKARAKURIのいない次世代アイドル劇場型スタジオ「777」(以下ナナスタ)としてのライブに切り替えています。
ナナシスが「フェーズ2」に移行しているのであれば、それはある意味での1stライブであり、ゲーム中の支配人視点で現在進行系のナナスタのライブにしていることに意味を見出だせるはずだと考えています。
・武道館という場所
もう1つ理由が考えられるのは、武道館という場所についてです。
総監督である茂木監督は元々ロックなどの音楽の教養というか知識が深く、ナナシスの曲の中にもそれらをエッセンスとして加えていることもあるのだそうです(「Tokyo 7th シスターズ COMPLETE MUSIC FILE」など)。
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そういった人物にとって武道館とはどういう場所なのか。
武道館はもちろん、「武道」館ですから本来の目的はそういったものではありますが、ロックバンド達の間では1つの到達点や目標として語られることがしばしばあります。
茂木監督という人物が武道館という場所に対する思い入れがどれほどかは分かりませんが、特別な場所として意識しているならば、ライブのキービジュアルにもある「青空(ここ)まで、歩いてきた。」というフレーズにも多少なりとも納得がいくかなと感じます。
1つの到達点としての武道館に、ナナスタのみんなを立たせる、ということがメモリアルライブという意味を持たせているのかもしれません。
僕らは青空になる
ナナシスでは、「夏」「青空」「星空」という言葉がよく使われます。
他の数々の考察記事にもありますが
・「青空」→777☆SISTERS
・「星空」→セブンスシスターズ
をざっくり表していると自分は考えています。この2つの言葉とユニットはナナシス内での対比の最も重要かつ分かりやすい位置づけになっています。
先ほども紹介した「青空(ここ)まで、歩いてきた。」というフレーズにはこのライブの中心、主役は777☆SISTERSであるということを強く印象づけています。
777☆SISTERSの「僕らは青空になる/FUNBARE☆RUNNER」が発表されたのは今から約三年前、2015年の7月。
ナナシスとして初のライブである「t7s 1st Anniversary Live in Zepp Tokyo 15'→34' ?H-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!?」が開催されたおよそ2ヶ月後です。
「僕らは青空になる/FUNBARE☆RUNNER」はナナシス初のメジャーデビューシングルでありますが、曲の背景にはこの1stライブが深く関わっていると茂木監督は仰ってると同時にこのようなことも。
「僕らは青空になる」と「FUNBARE☆RUNNER」です。個人的に、777☆SISTERSの初期3部作を制作していた頃にはこういうバンドサウンドメインの楽曲をやるとは思ってなかったんです。でもゲーム内で「4Uシナリオ」というものをやって、1stライブ「ハジマライブ」をやった上で、「よし今、ロックをやろう」と思った。でも制作を始めてみると、とても不安でした。ナナシスらしくないとか、いろいろ思われるだろうし。結局やってみたらナナシスになりました。ほかのアイドルソングとは違うものになったと思っています。だからとても印象に残っています。
Tokyo 7th シスターズ「Are You Ready 7th-TYPES??」特集 (3/3) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー
また、楽曲紹介ではこんなことも。
777☆SISTERSの「ロック」「バンドサウンド」として位置づけられ、ファンとの心の繋がりから生まれたこの2曲。武道館というある意味ロックシーンの1つの目標点と呼べる場所でこれらの曲がキーになることが、ナナシスの初ライブからメモリアルまでを結び、新しい""リ・スタート""を切るために重要な意味を持たせようとしていることは考えられうるところです。
もう1つ付け加えるとすると、「僕らは青空になる」の落ちサビに
運命だよ ココニイルコトは
流した涙 それが証になった
雲が晴れて 僕らは青空になる
という歌詞があります。
先ほどまでの話と、キービジュアルを見直すと、「ココ」というのは武道館のステージ、キービジュアルには雲が晴れて青空になる様が描かれている。
「僕らは青空になる」はこのメモリアルライブを3年前から見据えた曲であったのかと思えてもきます。
t7s Longing for summer
ナナシスのライブとしての始まりから生まれた曲の話を少ししましたが、本当の始まりの曲達のこともこのライブでは重要になりうるのではないかと思われます。
ナナシス初のCDとしてリリースされた1stミニアルバム「t7s Longing for summer」。
コミケで777枚限定で発売されたこのアルバム、音源だけはiTunesなどで発売されていましたが、当然現物はプレミア価格。
そのアルバムの再販がこのライブと3rdアルバムの発売と合わせて発表されました。
これはどういう意味があるのか?
もちろん、品薄なので再販しますというのが最大の理由でしょうが、このアルバムに収録されているドラマトラックに込められた思いを見ると、何かメモリアルライブへのメッセージが込められている可能性を感じます。
このアルバムは「ハルノヘッドホン」というドラマトラックから始まり、ナナシス最初の曲である「Star☆Glitter」、そして777☆SISTERS結成前のそれぞれ4ユニットの曲が収録され、「ハルノヘッドホン〜Longing for summer〜」というドラマトラックで締められます。
実際に聞いてもらえれば理解出来ると思うのですが、ドラマトラックの内容をざっと説明すると、
主人公である春日部ハルは夏のある日、レッスンから帰り、天堂寺ムスビ達と勉強会に向かうために家で準備中。そんな時、カバンの中からCDプレーヤーと「 Longing for summer」というCDを見つける。2034年という時代設定では絶滅しているCDを見て、最初は何か分からなかったハルだが、同封されていた支配人からの手紙を読んで、それが「音楽を聞くためのもの」と知る。時代設定上、音楽等は全てデータだけで扱われている中で、支配人は敢えて「形のあるもの」にハル達の音楽を詰め込み、こう付け加える。「これからどんなに時が経ってもこの歌はずっと残る。これはその証です。」
ハルは自分達の音楽を意味のある、形のあるものとして残してくれた支配人に対して形容しがたい感情を抱いて戸惑う。けれど、自分が伝えたいのはそういう気持ちであると気付く。まだまだ下手くそで全然伝わらないかもしれないけど、いつかきっと…。
という感じのお話です。
アルバムタイトルであり、劇中CDタイトルである「Longing for summer」。
直訳すると、「夏への憧れ」。
先ほどの「僕らは青空になる」のところでもお話ししましたが、ナナシスでは「夏」や「青空」という単語が概念的に多用されています。意味するものは時と場合によって多少の違いはあれど、大体の意味するものは同じであると自分は考えています。それは「夢」です。
支配人がCDの名前につけた「夏への憧れ」は、それを聴いたハルたちにとっての「夢への憧れ」となったわけです。
キービジュアルから、青空というものを場所的に捉えるなら武道館というステージになり、「t7s Longing for summer」で表現された支配人の「夏の青空」への憧れは、ハルたちにとっての「夢の武道館というステージ」への憧れとも読み取れます。
ナナシス初のCDとして「Star☆Glitter」と共に「最初の想い」が詰め込まれている「t7s Longing for summer」。
メモリアルライブという大きな意味を持つライブは、ハル達の「最初の想い」に対する1つの回答になりえるのかもしれません。
「僕らは青空になる」と「t7s Longing for summer」。そしてもう一つのアルバムがこのライブについての重要なテーマを示唆している気がします。
THE STRAIGHT LIGHT
もう一つのアルバムというのが、ライブ前に発売を予定されている3rdアルバム「THE STRAIGHT LIGHT」。
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まだ詳細が開示されていない中で考察するのは時期尚早かもしれませんが、このアルバムにも注目したい点があります。
タイトルになっている「THE STRAIGHT LIGHT」は何を表すのか。
ジャケ写の彼女らは「青空」で透過しており、「僕らは青空になる」の要素をアルバムに反映していることを強く示唆する印象を受けます。
1つ考えられるのは、「僕らは青空になる」の歌詞での「眩しくて 目を細めてた光 今はもう 怖くはないんだ」の部分における「光」です。
1stライブを経て生み出されたこの曲の「光」とは何を表しているのか。おそらく彼女らの「夢」であるはずです。
大きな夢に対する恐怖や億劫になってしまう感情が、1stライブというファンと繋がれる場での経験から消えていく様を表しているように感じられます。
「t7s Longing for summer」で抱いた「最初の想い」を届けることに迷いの無くなった様は、まさにまっすぐな光の「THE STRAIGHT LIGHT」であり、その夢の1つの終着点としてのメモリアルライブを想定している気がします。
もう一つは「WORLD'S END」「スタートライン/STAY☆GOLD」のジャケ写のキャラの足元に書かれているそれぞれの光です。
「WORLD'S END」はダークな雰囲気のある退廃的な光であり、セブンスシスターズインディーズ時代の苦しみから抜け出そうとする一筋の信念の光です。
「スタートライン/STAY☆GOLD」は光の中に青空が描かれた希望的な光であり、今までの経験を糧に新たなスタートラインを切る彼女らの一筋の信念の光です。
この対照的な2つのまっすぐな光。
ナナシス新キービジュアルにも使われているこれらのジャケ写ですが、2つのアートワークを繋ぎ合わせると、これらの光源は同じところに収束します。
向かうところは違えど、セブンスシスターズも777☆SISTERSも「最初の想い」は変わらないということを表しているように感じられます。
そしてその彼女らの進む「まっすぐな光」の軌跡を表すアルバムが「THE STRAIGHT LIGHT」というものである。
先ほどの説がライブに寄り添ったものであるとするならば、この説は彼女らの信念を詰め込んだ楽曲、アルバムとしての意味を付けるものであると思います。
ナナシスのライブは核となる楽曲のテーマをライブの重要な要素として盛り込む傾向にあります。
1stはそれまでに発表していた曲達の披露の場でしたが、
2ndは「Are You Ready 7th-TYPES??」
3rdは「ハルカゼ~Youwere here~」
を主軸に据えたライブだったのは間違い無いでしょう。
今回もそれは例外ではないとするならば、「僕らは青空になる」、「t7s Longing for summer」、そして「彼女らの信念の光」である「THE STRAIGHT LIGHT」というアルバムが今回のライブでは重要な役割を果たしてくると考えられます。
またあした
少し話を変えて。
今回のライブで最も自分が期待している曲は「またあした」という曲です。2ndアルバム「Are You Ready 7th-TYPES??」の青盤の1番最後に収録されている曲です。この曲はナナシス唯一のソロ曲として春日部ハル名義の曲です。
しかしながら、この曲はハルのために作られた曲ではなく、誰しもに当てはまる曲として作られ、あくまでそれをハルが自分の曲として歌っているというものだそうです。
Tokyo 7th シスターズ「Are You Ready 7th-TYPES??」特集 (2/3) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー
鼻歌を歌いながら帰り道を歩いているような、そんな曲。
こんな誰にでも当てはまるような曲だからこそのナナシスらしさがあります。
ナナシスのテーマは「誰かの背中を押すこと」。
僕自身がナナシスの背中を押すことを実感したのは以前の記事で詳しく書きましたが、等身大のストーリーが自分自身の中にスッと入ってくること。そしてそれが自分自身の経験とリンクすることで元気をもらえる、といったものでした。
「またあした」という曲は、発表されてしばらく経ちますが、ライブで披露されたことも無ければゲーム内にも収録されていません。
ここに意味を持たせているのであれば、そんな「なんでもない曲」がメモリアルライブで披露されることを期待してしまうわけです。
なんでもない日常がとても大切な日々であるという暗示。
ナナシスらしい一人ひとりにとっての等身大のストーリーを意識させられるもの。
別にアイドルソングらしくも無ければ、何か大きな夢を目ざしているような壮大な曲であるわけでもない。
そんな「大切な」この曲は是非ともメモリアルライブで披露してほしい一曲です。
The QUEEN of PURPLEとセブンスシスターズ
妄想を1つ。
今回はナナスタ組のライブということで、セブンスシスターズ、4U、KARAKURIは出演しないためそれぞれのグループの曲を聴くことはおそらく難しいでしょう。
ですが、4Uはワンマン公演を行い、ミニアルバムの新曲を含め全ての楽曲を披露しました。KARAKURIに関しても3rdライブは結果的にキャストの方の体調不良で出演は出来ませんでしたが、最新曲として位置づけられる「Winning Day」は一応披露する予定があったということになります。
ではセブンスシスターズの曲は?
作品の中で重要視される彼女らセブンスシスターズの原点とも呼べる「WORLD'S END」という曲を発表しておいて聴けるのはいつになるか分からないというのも少し違和感があります。
インディーズ時代のものだから、とか無理矢理納得しようとすることは出来ますが自分の中での妄想は
「The QUEEN of PURPLEによるカバーによる披露の可能性」
です。
これは妄想の範疇ではありますが、ちゃんとした理由があります。
The QUEEN of PURPLEのリーダーである瀬戸ファーブとボーカルの越前ムラサキは、セブンスシスターズの羽生田ミトの熱狂的なファンであり、セブンスのインディーズ時代のミト主軸の音楽性にバンドとしてとても影響を受けているという設定があります。
楽曲紹介ページにも以下のような記載があります。
また、小説の「EPISODE.The QUEEN of PURPLE」で、The QUEEN of PURPLEというバンド名は、羽生田ミトが作成していた未公開音源のタイトルから持ってきていることが明かされています。
Tokyo 7th Sisters -EPISODE.The QUEEN of PURPLE-
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羽生田ミトという人物を色濃く反映していたセブンスシスターズインディーズ時代の幻の曲の名を冠するバンドであるThe QUEEN of PURPLEが、WORLD'S ENDとPUNCH'D RANKERを歌う展開、めちゃくちゃアツくないですか…?
現実になってくれることを期待したいところです。
最後に
いかがでしたでしょうか。
この1年広げてきた知識で、自分なりに精一杯の考察という名の妄想をさせていただきました笑
これが当たっても嬉しいし、全部外れる想定外のライブになっても嬉しい。
ナナシスは、こうした色々な考察の余地を与えてくれる楽しみがあるという点もとても好きなところです。
あとライブまで2ヶ月弱。
どんな「メモリアル」なライブが待っているか今からとても楽しみです。